大型のヒラマサキャッチ

能登ロックショア釣行記
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追い求めていないときに限って、そのときが訪れる。
思いが募り、万全の態勢が整ってから、大物が掛かってほしいのだが、なかなかそううまくはいかない。
6月に入ったが北風が吹き、この時期としては気温が低く快適。ヒラマサの時期もそろそろ終盤かなと思い釣果の期待はそれほどせず、メインの目的は隆起した地形を観察するということで能登の磯に向かった。能登は復旧状況が進んでいないと聞いていたので、これまでなかなか足を運ぶ気にはなれなかった。行く前に、現地のインフラの復旧状況を確認すると、電気も水道もほぼ復旧しているとのことで公衆トイレも使えそうだと思い、比較的、車のアクセスがしやすい場所に向かうことにした。

道路は、ほぼ通常通り通行できたが、所々段差があって、運転には気をつかう。
隆起した海底は軒並み白くなっており、岩も角が取れた丸みを帯びたものがほとんどでスパイクでは滑りやすそう。そこで、今回新規購入したダイワのダイワ タイトフィットフィッシングブーツを試してみる。今回使用した感想として、このブーツ最高によい。まずフィット性が素晴らしい。気になるグリップ力も、このブーツはフェルトスパイクのため、スパイクのように岩の窪みにガッチリとハマるような極端なグリップ力は発揮しないが、様々な岩質、海苔の付着した岩や濡れた岩に、平均的に良好なグリップ力を発揮し不安を感じない。(スパイクは効かないときは、極端に滑り、それが予測できないこともあるので、個人的にあまり好きではない。)このブーツはクッション性にも優れており膝や腰への負担が少なく疲れにくい。さらにブーツタイプのため、波が打ち寄せる場所や浅い水の中を気にせず歩いていける。ただ、難点は、ガビガビの岩肌の地面ばかり歩いていると、フェルトの部分の消耗が早いことである。だが、その分、値段は比較的安価なので、総合的な評価として、かなり優れたブーツと言える。少し気になった点として、そこまで問題ではないのだが、脱ぎ剥ぎのしやすさのための踵の突起が岩に引っかかることがあるので、この突起は不要だと思う。

サイドのジッパーで脱ぎ履きしやすい。甲まで紐で絞れるので足にフィットする。
かかとの突起は岩に引っ掛かるので不要。

これまで通い慣れていた能登の海岸は一変した。隆起して露わになった岩は角が取れた丸い岩が多いが、切り立った地形はほとんどないので、歩いていてそれほど緊張しない。白色化した海藻がまるで雪のように地面を覆っており、照り返しの反射も強く地面が眩しく日焼けには注意が必要。これまで魚がよく釣れたポイントは干上がっていて、地形が丸出しとなっており、魚が付きやすい形状を目視することができる。共通しているのは、横方向への溝が入っているところに魚が付く傾向がある。身を隠すのに適しているからだろう。これまで魚が釣れたポイントの海の中の地形は見たことはなかったので想像していただけだったが、実際に見ると、やはり魚が好む地形には共通点があることがわかる。想像と実際の答え合わせができて、とても興味深い。
ただ、気になるのは、干上がった海岸を見ると、似たような岩ばかりで変化が乏しいことである。特に、シャローになってしまったところは、丸い岩ばかりで魚が付きそうな地形が少なくなったように感じる。回遊タイプの魚は釣れるだろうが、居着きの魚は、釣りにくくなってしまったのではと思う。

目的のポイントに到着し、自作ルアーのテストを開始する。
テストの合間に気になって最近購入したブルーフィッシュ180のアクションを確認してみる。いろいろとフックサイズを変えて、アクションの違いを確認し、アクションと操作性のバランスがいいところを探る。
そんなことをしていると、ルアーの後ろの海面に変化がある。チェイスなのかわかりづらかったが、途中で丁寧にジャークすると、ロッドに重みが乗る。60cm位のヒラマサをキャッチ。まだ釣りをしたいので、魚を活かせる場所を探し、そこに魚を泳がしておく。サイズかかわらず嬉しい。気持ちはこれで満たされた。

本当はルアーがかかった状態で写真を撮りたいのだが、魚が暴れてルアーが破損するのが怖いのでいつも釣れたらすぐにハリを外している。

あとは、景色を眺めながら、楽しいルアーテストに浸る。
自作ダイペン(サイズ200mm)のフロントアイ付近のオモリを3号→2号→1号と少しづつ減らしてアクションを確認する。その中でオモリを減らすほどアクションの切れがよくなり、1号が最もスラロームとロールのバランスもよく、なかなかいい動きになった。ボディ形状にもよるが、基本的にフロントのオモリを増やすと、ダートはしやすくなるが、その代わり左右への首振りが弱くなり直線的な動きになりがち。ただ、このルアーに関しては、そもそもウェイトがありすぎたのかもしれない。

それから少し経って、またルアーの後ろの海面が変化する。すると間もなくロッドに重みが乗り、いきなりドラグが鳴る。
さっきとは違う強い引き。数回ポンピングすると、ふっとラインテンションが抜ける。バレたかと思ったが、すかさずリールを巻くと、魚が手前に泳いできている。手前10mほどには沈み根があるので、魚がこっちに向かってきているのを利用して、思い切り高速でリーリングし、沈み根の直前でロッドを大きく引き上げる。なんとか根は越えた。この後も何度かドラグを出されるが、根は越えているので、それほど危機感はない。左のスロープからゆっくりとずり上げた。
ルアーテストでアクションを探っているときに思いがけずヒットした魚。実を言うと、それほど感動はしなかった。過去に釣った80cm代の方が感動は大きかった。そのときは数十回の釣行を重ねて、ここぞという所で釣ったから舞台が整っていた。改めて釣りはプロセスが大事だと気付かされた。想いが募ったときに満を持して魚を釣れるよう、気を緩めずに心を鍛錬したい。

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