ルアーテストしながらヒラマサ2匹キャッチ

能登ロックショア釣行記
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春のヒラマサ釣りは満足してきたし、やりたいことが山積みなので、そろそろ春シーズンを終えて、これからは道具を揃えた石鯛釣り、鮎の友釣りの準備、アユイング用ルアーを作ろうかと思っていたところ、前回の釣行前に作ったダイペンの改良にひらめいたことがあり、それを近所の浜で試したところ、劇的に泳ぎがよくなった。こうなると実際のフィールドで確認しないことには心が落ち着かない。居てもたってもいられなくなりフィールドに向かった。

その自作ダイペンはタングステンとバルサを材料に極限の運動性能を狙ったもので、前回の釣行でフィールドに投入したが、直線的な動きで泳がなく期待外れだったもの。通常だとこれであきらめそうだが、暇があったので仮説と検証の思考実験を繰り返し、いつの間にか睡眠中のふと覚醒したときも、ルアーのことを考えるほどになっていた。その熱意が伝わったのか、頭の中にひらめきが降りてきた。夢中になるのは幸せなことだ。(私にとっては発見であっても、ルアー作りを生業にしている人からすれば当たり前のことかもしれない。だが、自分がその情報を知らなければ主観的には発見となる。上を見ればきりがない。大海に漕ぎ出して己のちっぽけさに打ちひしがれるよりも、井の中の小さな世界でたとえ世間知らずで勘違い野郎であっても満ち足りた気分である方がよっぽど幸せかもしれない。)

ルアーの変化の確認をしやすくするには、改良が際立つように、可能な限り、材料は最も軽い木材と最も重いオモリを使用すると挙動にはっきりと表れるので、わかりやすい。

バランス調整用の板オモリはダイソーのものが手に入らなくなってきたので、代替を探してゴルフ用のものを使ってみたところ。水中で剥がれず、剥がした後もルアーに粘着が残らないのでダイソーのものより使いやすかった。

6月になると暑い。特に隆起によって磯の表面が白くなったところは、体感で5℃くらいは暑く感じた。残雪期の5月の北アルプスで半袖になりたいくらい暑かったのを思い出す。6時にルアーテストを開始する。1時間に1回ヒラマサがチェイスしてくるが、バイトはしてこない。20回ほど投げる度にオモリの位置を変えて、ベストな動きを探る。このポイントは常にヒラマサの回遊があるところなので、魚はルアーを見に来ているのは間違いない。3時間ほど経ったころ、偶然かもしれないが、オモリの位置を変えて引き抵抗と泳ぎがしっくりきたとき、3投目でバイトがあり、ヒラマサをキャッチ。その後も、追加でヒラマサをキャッチ。2匹とも60cmくらいのサイズ。同じルアーの状態で数十投してからバイトがあることは無く、変化を加えてから数投目とすぐに反応の出ることが多かった。ヒラマサの捕食スイッチの入りやすさはルアーによって違うとは思うが、要因が多すぎてそれが具体的になんなのかはよくわからない。今回のテストは満足の結果になった。操作して楽しくかつ釣れるというありたい姿に近づいてきた。 

磯歩きの途中に木炭のようなものが転がっていた。持ってみると石のようにずっしりと重い。意識して磯歩きしていると他のところにも似たような黒色の木が石の中に埋め込まれていた。木の化石のことを珪化木というらしい。堆積岩の中にはこういう化石もあるので、面白い。

ショアの釣りに拘る理由はいろいろとあるのだが、その中でも大きいのは自然の地形の中を歩くことができること。磯歩きは景色も素晴らしいが、身近に自然観察できるので楽しい。今回、青色が眩い蝶に目を奪われて写真を撮って家で見返してみるとそのすぐ下に蛇がいることに気が付く。現地では全く見えていなかったので、気が付かずに踏みつけて怒らせてしまったかもと思うとぞっとした。ちゃんと足元を確認して行動しないといけない。こんなこともあるのが磯歩きの楽しいところ。だが、自然の中では、生き物の生活エリアにお邪魔している立場なので、謹んで行動したい。

左に蝶。右に蛇。

これまでもそうだったが、隆起後の能登半島はさらにショアに向いた釣り場になった。行くことが困難だったポイントを含めて、海岸線ほとんどのポイントに歩いて入ることができるようになった。私は能登半島での釣りはやりつくして、そろそろ他の地域に移住でもしようかと思っていたのだったが、隆起によりリセットとはいわないまでも、新たなポイント、行きたかった離れ磯に歩いていけるようになったので、ワクワクしている。通常はその土地に飽きたら人間側が他の土地にいかないと新たな体験はできないわけだが、隆起により、まさか土地を変えずとも、新たなフィールドで釣りができるとは、こんなことが現実に起きたことが未だに信じられない。だが、それも自分の短い人生から感じたことなので、地質学的な時間からすれば当たり前に起こることなので、これからの未来もなにが起こっても不思議ではない。

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