昨年の秋もそうだったのだが、午後のある時間にヒラマサが高確率でヒットする。今秋も既に同じパターンでキャッチしている。ここまでパターンがはっきりしていると、これを検証するためにも、この時間を目掛けてやってみることにした。
狙いの時間の1時間前から釣りを開始する。このポイントでのヒットは距離15m以内と近い。魚が通るところも決まっている。同じコースにひたすらルアーを通し、ヒラマサが来るのを待つ。しばらくは、気配も反応も何事もなく時間が過ぎていくが、まだ時間前なので想定通りだ。そして、その時が刻一刻と近づく。時計に頻繁に目をやる。そろそろだな。と投げていると、やはりチェイスしてきた。だが、なんだか動きが鈍い、足元でのチェイスだったので、魚の姿を目視できる。3匹付いている。しかもそこそこのサイズだ。もうルアーを引ける距離がわずかだ。ワンジャーク目はミスバイト、次はショートジャーク、これもミスバイト、最後は水面を少し滑らせるだけで、もう引き代がない。ダメかと思ったが、ここでラインテンションをぬき、ダイペンをフリーにして、プカプカと浮かべた。すると魚は静かにそれを吸い込んで、ゆっくりと下に潜っていった。
ここで一呼吸置き、合わせを入れる。重さがロッドに伝わる。ドラグは7kg、ロッドはHHなので、強引に引っ張り、魚の頭を海面から出して、泳げなくする。あっけなく勝負が付く。タイミングを見計らって、ゴボウ抜きした。丸々と肥えたヒラマサだった。計測すると長さは83cm。
なぜかヒラマサなのにあまり引かなかった。今回、波の周期が長く、たまに大きなうねりがくるが、しばらく静かになって海面も穏やかになるという海況。断続的な波があるときの方が魚も元気な気がする。だから、今回のような波の周期が長いと魚は元気がなかったのだろうか。または、胃袋の中身の消化にエネルギーを取られて、運動能力が低下したのだろうか。それとも、食いすぎて、お腹いっぱいで、重くて、動きが鈍くなっていたのだろうか。磯のスプリンターもコンディションによっては、調子がでないこともあるのだろう。
胃袋の中には、10〜12cmほどのイワシがたっぷりと入っていた。先日、磯際に打ち上げられていたものと近いサイズだ。
やはり、この時間に回遊するパターンがある。今回、再現できたことがよかった。あと、食い気のあるやつは、ラインテンションを抜いてルアーを浮かべているだけでも食いつくのが面白い発見だった。でも、釣り味の観点からいうと、やはり、波高や風が吹いている厳しい条件で魚とやりとりするのが最も充実する。魚とは厳しい自然環境で戦いたい。
波高が高いときはダイペン操作に気を使う。波の裏ではロングジャークし、表側ではやさしくショートジャークの方がミスダイブが少ない。波高の高いときにショアによってくる魚はやる気満々のことが多いので、少々雑な操作でもバイトはしてくれる。ただ、波の荒い状況では、ミスバイトになりやすいので、誘いの後のポーズを長めにとり、糸ふけを作って吸い込みやすくしてあげるといいように思う。 今シーズンは、早々に良型のヒラマサをキャッチできたことで、だいぶ心も腹も満たされてきて、気持ちの余裕も出てきた。そこで、しばらくは、チャレンジ的な釣りをしたいと思っている。それは、今まで釣ったことのないルアーを使ったり、自作ルアー縛りにしたり、釣ったことのないポイントで釣りをしたりである。トレブルフックを使用しないのもいいかもしれない。また別のターゲットを狙ってみるのもいいかなと思っている。(サワラ、マダイ、ヒラメ、アジなど)
ヒットルアーはラピードF190、このルアーのミスダイブのしにくさは特に秀でている。足場が高くても足元まできっちり泳いでくれる。ラフコンディションのときは、非常に重宝する。簡単に誰でもミスダイブしにくく扱えるルアーであるということは、厳しい海況においても安定性が高いということである。波高や風波があるときこそ、このミスダイブのしにくさが大きなアドバンテージとなる。
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