25.11.15,16
前回のヒラマサの釣果から以後5回ほど釣行したが、海は沈黙。
あまりにも青物の反応が薄いので、スズキ狙いに切り替えることにした。
秋は波が立ちやすいので好条件の日を狙いやすい。お気に入りのポイントをランガンすると、75cm程のスズキをキャッチ。続いて磯際を探るとクロダイもヒット。


磯を歩きながら次々と現れる変化のある地形を攻めていると、やっぱり自分はこの釣りが一番好きだなと思う。ただ歩くだけだと退屈になるのだが、釣りをしながらだと全く退屈なく、むしろ夢中になって長距離を歩けてしまうので、楽しく釣りをしながら運動もできて一石二鳥。スズキ釣りは初日で満足できたので、翌日は期待薄だが、青物釣りをしよう。
翌日、釣り場の状況は前回釣れなかった条件と風向き、波高共にほぼ同じ。横風がやや強く、自作ルアーでは水面を滑りやすく水をつかみにくいが、丁寧な操作をすればアクションさせることはできる。だが、ロッドに伝わる引き抵抗がなんだかしっくりこない。こんな感じで続けるが1時間ほどしても海は沈黙。
なにかが嚙み合ってない。こんなときは初心に帰ってみようと、かつてよく使っていた優等生ルアー、ラピードを使用してみる。ラピードを使うのは久々であるが、今日みたいなラフウォーターでも安定して泳いでくれる。自作ダイペンを泳がすのに苦労する海況なのに、ラピードは、そんな状況をものともせずに楽々と泳ぐ。ここまで優秀なルアーだと悔しくなってきて意地悪したくなり、雑に操作してミスダイブさせたくなる。糸ふけを作らずにジャークしたり、思いっきり強い入力でジャークしてみたりするが、それでも構わずに泳いでくる。これでもかと力一杯ロッドを横に振ってもミスダイブが起こらない。なんて完成度の高いルアーなんだ。改めて驚愕する。
そんなふうにラピードをいじめていると、突如ルアーの後ろがモワっとなり、ロッドに魚の重みを感じる。なんとヒラマサがヒット。ラピードに変えて10キャスト目くらいのことだったので、嬉しさというより驚きが大きかった。海は静かだが魚はいたのだ。これまでの自分のやりかたがよくなかったのか。こうなると素直にラピードをお手本にするしかない。今回のヒットにつながった強いジャークとルアーアクションをラピードに近いものに対応させるため自作ルアーをチューンする。まずは自作ルアーの中でもラピードの動きに近い、トルネードのような回転系の動きに近いものをセレクトし、かつ強いジャークに対応できるよう、オモリを貼ってウェイトを増やして水面飛び出しを防ぎ、さらにフックをトレブルにして抵抗を増やし、ヘッドが下に突っこみやすいようにする。

そうしてチューンしたルアーの数キャスト目に魚のチェイスがあり、足元まで追ってきた姿を見るとなんとヒラマサ。その後しばらくキャストを続けると待望のヒット。引きが強く、スピードもあるが、姿を現したのはヒラマサではなく丸々と太ったガンドだった。こんなに太いガンドを釣ったのは初めてで見るからに美味しそう。(後日、食べてみると脂は少なかったが身質と旨味は寒ブリ顔負けの美味しさだった。)

今日のヒットパターンは、強い入力のショート~ミドルの割と短めのストロークのジャークで、ルアーアクションは、ワイドよりもタイトな動きのラピードのようなトルネード回転系の動き。ブリやヒラマサは整ったスラロームよりも、タイトでロールが強く、一見すると暴れていて破綻ぎりぎりの動きがよく釣れるような気がする。人間からするとミノーのようにクネクネとした動きとか、左右にきれいなスラロームがいい動きに見えるが、魚が好む動きはこれとは違うのかもしれない。
とはいえ、サンプル数が少ないので何を言っても再現性に自信はないが、そんな中でもある程度、確信を持っていえることは、ルアーを引いた感触がしっくりこないときは、釣れないことが多いということ。竿を通しての感覚は重要である。釣りの達人は、竿や糸を通して感じる情報から察知することに長けていることはよく聞く話だ。
これまで5回の釣行で釣れなかった要因は、自作ルアーにこだわったことからかもしれない。自作ルアーはヘッドの抵抗を大きくし、初動で横降りさせて大きなスラロームを出しているので、強いジャークをすると飛び出しやすい。そこで、ジャークの入力はソフトにして対応するが、今回のように張りのあるロッドで海面を叩くような強い入力のジャークが効果的なこともあるようだ。過去にも似たようなことがあったと記憶するが、いつの間にか忘れていた。
それにしてもラピードはすごいルアーだ。ラピードだけ持っていればヒラマサは釣れる。しかし、それだけではつまらなくなるから、色々なルアーを揃えたり、ルアーを自作したりすることになる。
あるネット記事に書かれていたことだが、車に例えるとプラスチックルアー(インジェクション)はオートマで、ウッドルアーはマニュアルという考えには、一部納得できる。天然素材であるウッドは、同種の木材でも個々に比重が違うし、ルアーのような小さく切り取った部材でも、前後、左右に重さの均質性はバラツキがでる。だから同じ形状でルアーを作ってもアクションに違いが出てしまうので、微調整を要することが多い。さらに釣り場ではオモリを貼ったり、フックを変えてその日の状況に合わせることが釣果に影響することもある。
それでは、なぜそんな遠回りで難しいことをわざわざ好き好んでするのか。それは達成感があるから、試行錯誤する楽しみがあるから、色々様々理由はあるが、難しいものを使いこなすことが面白いから。
今回のラインシステム:PE4号+ナイロン80lb+フロロ26号
ロッド:ランナーエクシード110H リール:セルテートSW8000H
11月に入るとタックルをワンランク落としている。根ずれ対策として先端にフロロ26号を1.5mほどセットした。キャスト、ルアー操作、特に問題なし。フロロとナイロンはオルブライトノットで接続し、結束部はトップガイドの外に出す。このシステムであれば先端のフロロは極太にしてもライントラブルは起こらない。根ずれは先端に近いところがよく起こるので、このシステムも一つの選択肢として使っていきたい。

上図:ナイロンとフロロの接続部


コメント