何月になるとこの魚が釣れるというように、魚は規則正しく、季節に応じて、様々な魚種が釣れてくれる。魚釣りを通して、季節の移り変わりを感じられることが心から嬉しい。また、春から日に日に水温の上昇と共に、魚の活性が上がり、海藻が育ち、海が豊かになっていくことが釣りを通して身を持って感じられるのも嬉しい。それもこれも、毎週海に通っているからこそわかることである。
自然豊かな磯では、魚だけではなく、アプローチ道に芽吹く植物を通しても季節を感じることができる。コンクリートで固められた釣り場よりも、自然豊かな磯の方が断然、気持ちがいい。
能登のとある所で会話した、おばあさんから聞いた話によると、ちょっとした小さな堤防が作られたことで潮の流れが変わり、海産物が取れなくなったと嘆いていた。ありのままの自然の地形に人工物を加えることでいとも簡単に自然のバランスが崩れるようだ。
やはり、釣りも自然の摂理の中で行いたいものだ。私は自然の地形からは、釣れそうな場所をある程度は絞り込むことができるのだが、人工物の釣り場では、魚のいる場所を特定することが苦手だ。たまに堤防で釣りをすることもあるがボウズのことが多い。そもそも人工物の釣り場は地形に変化が乏しいのですぐに飽きてしまう。
今釣行において、予報では波高が1.5mほどだったので、いい釣りができそうと釣り場に向かったが、予想に反し海は穏やかであり、これは厳しい釣りになりそうと覚悟した。ところが意外にも年に一度あるかないかの多くの魚種に恵まれ、水深5m程の比較的浅い場所で良型のマダイが釣れたのは新たな発見だった。
前回より数は少ないものの引き続きメバルの魚影は濃かった。クロダイはハングした足元の磯際にゆっくりとテンションフォールさせると2回ヒットした。
全体を通して、スローに引くのとテンションフォールを織り交ぜるのが効果的だった。魚は岩礁の影や海藻に隠れていて、その近くをゆっくりと引くとバイトがあった。
小粒の沈むルアーが効果的だったが、レンジが大事である。狙いのレンジをトレースするためには、ロッドを立てて、リーダーの結び目を海面に出し、それを目印にするといい。こうすることでシモリ近くをトレースしやすい。リーダーは長めの方がよく、短いと目印となるリーダーの結び目が水中に入ってしまいどのくらい沈んでいるのかわかりにくくなる。ルアーやラインが受ける水の抵抗を通してもある程度のレンジを掴むことができるが、正確性には欠ける。
マダイ、クロダイ、スズキの刺身3種盛りは味比べができて楽しい夕食の時を過ごせた。最高の幸福感だった。生きてきてよかった。ちなみにマダイ、クロダイ、スズキの内、クロダイが最も甘みとコリコリの歯ごたえがあった。マダイはクロダイに比べると少し甘みは劣るが、程よい旨味で食べやすく、スズキは甘みは少ないが、旨味は一番で、やはり旬のスズキは間違いないおいしさだった。今の時期、磯でクロダイが釣れたら断然、刺身がオススメだ。
磯を観察していると岩壁の穴に鳥の巣があった。穴だらけの岩なので巣は作り放題だ。下の写真の中央付近をよくみると鳥の巣がある。
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