近年のロックショア青物ゲームの人気は凄まじいものがあります。私がよく行く能登半島も例外ではありません。人気ポイントでは、日の出の数時間前からエントリーする人もいるくらいなので、日の出を目がけてのエントリーでは既に遅く、満員でポイントに入れないこともしばしばあります。ポイントに入るためには早めに出発して場所に入る必要がありますが、そのための早起きや、ポイントに入ってから夜明けを待つまでの時間は、なかなかつらいものがあります。そして、ようやく釣りを開始してからも他の人のキャスト範囲を気にしての釣りは疲れるものです。しかしながら、人の多いポイントは、それだけ過去に大型が釣れたからこそ人を集めていることは確かなことであり、大型を狙うなら人気ポイントの選択は手堅いと言えます。
ただし、その人の価値観にもよりますが、視点を変えれば、楽しみ方は他にもあります。例えば、ブリやヒラマサの5kgクラスまでであれば、私の経験上、時期は限定的ですが、割と広範囲、様々なポイントで釣ることができます。人の少ない静かなポイントであれば、キャストは扇状に広範囲にできて、自分のペースで釣りを展開できます。そこでは魚を寄せるのも、散らすのも自分の責任ではありますが、だからこそ、より深く、その日の釣りを検証することが可能であると考えます。そして、自分のお気に入りのポイントで魚が釣れれば、それはとても心が充実するものと思います。
本題に入ります。ロッド選びをするために、まずは釣りたいターゲットのサイズを決めるといいです。
例えば、ここ能登半島において年間を通して釣りやすいサイズは、ブリであれば40~70cm、ヒラマサであれば60~80cmとなり、それ以上の大物は、限定的なポイントや条件、あるいは気まぐれでたまにヒットし、釣れる時間帯や条件は読みづらいと感じます。しかし、人的ネットワークのある方は、タイムリーに情報をキャッチして、時期とポイントをアジャストし、効率良く大型を釣っているケースもあるかと思います。しかし、それがない私の手探りの実釣からの経験としては、大型は年間30日釣行して1回ヒットすればよい方に思います。
とはいえ、サイズを問わないなら、小型から中型サイズ~70cmくらいまでのブリは、魚影が濃いので、タイミングを狙って釣行すれば高確率で釣ることが可能です。
ロッドの選び方についてですが、私の場合、ロッドの強さは、年間を通してHクラスを使用し、大型の可能性の高い時期だけ、HHクラスを使用しています。端的に言うとこれだけで選び方は事足りることになりますが、自分に合ったロッドを詳細に本格的に決めるには、フィールドの状況(足場の高さや足場の安定性)、飛距離の必要性、根が荒く強引なファイトが要求される、または身体に負担の少ない曲がりの柔軟性、長時間使用しても疲れにくい軽さ、持ち運びしやすい3ピースやモバイルタイプ等、実際に経験を積まないと理想のロッドを選ぶことは難しいと思います。ちなみに私の好みのロッドは、飛距離の出て、糸抜けがよい、長めの11フィートのロッド(例:ランナーエクシード110Hナノプラグモデル)、あとはキャスト直後のロッドのブレが少なく収束が速いロッド(例:ドラッガーブレイクスルーHH)です。短いロッドでも飛距離は出せますが高度なテクニックと速い振りぬきが求められるので、難しいです。
ここから下は、おすすめのロッドを紹介いたします。
小型から中型サイズに適したロッド
小型から中型サイズ~70cmのブリやヒラマサを狙うには、プラグは最小で130mm、最大で160mmを投げやすく操作しやすいロッドが適しています。前述の通り、最も数が多く釣りやすいサイズの魚がターゲットです。近年はベイトが小さいこともよくありスモールプラグが有利な場面も多々あります。これに適するロッドは、ミュートスソニオ100m、ランナーエクシード102M、コルトスナイパーS100MH、その他MHクラスのロッドが該当します。
大物に適したロッド
確率は低くても大物だけを釣りたい、ボウズは全然かまわない、という場合は、プラグは最小180mm、最大230mm以上を投げられるロッドがよいでしょう。ロックショアのフィールドは太古の自然が剥き出しとなった荒々しくも美しい景観の磯。ここでヘビータックルをヘトヘトになるまで振りきれば、たとえ、魚が釣れなくてもスポーツをやり切った後のような清々しい気持ちになることもできます。このようなスタイルの方におすすめのロッドは、ドラッガーXH、ミュートスアキュラHH、コルトスナイパーXH、その他HH、XHクラスのロッドが該当します。このクラスのタックルであっても普通に小型サイズを釣ることができますが、タックル全体が重たいものになるので長時間釣りをするには体力が要ります。
中型~大物まで対応できるロッド
個人的にオススメのロッドは、中型~大物まで幅広く対応できるロッドです。中型プラグ160mmから、大型プラグは230mmまで、これ一本で投げられ、10kgを超えるヒラマサにも充分対応できるロッドです。
私が現在使用しているロッドはランナーエクシード110H、ドラッガーブレイクスルーHHであり、このカテゴリに該当します。「柔らかいティップと強いバット」を備えたロッドで、強いバットで大物に対応でき、かつマイクロベイトパターンの小型プラグ140mmにも対応できます。こういうと万能ロッドのように感じますが、対大物用を想定したロッドのため、やや重量はあり、扱うにはそれなりの体力がいります。また、特化したロッドと同じシチュエーションで競うと、性能では及ばないのが普通だと思っています。大物をメインに狙っているが、スモールプラグも使って小さいサイズも釣りたい。そして年間を通してロッドを一本で済ませたい。こんな方にオススメです。実際2022年は年間を通して、ほとんどランナーエクシード110H、1本で済ませましたが、140mmの小型プラグも交えて使用し、ヒラマサの40cm~80cmまで難なくヒットさせることができました。ちなみにジグも60 ~105gまでこのロッドで使用していますが、特に操作性には不都合はありません。ドラッガーブレイクスルーHHは2023年に購入してから1年間使用していますが、個人的に好きな特性のロッドです。使用した感想としては、まずキャスト時のロッド収束にブレがほとんどないので、ティップへの糸がらみ等のトラブルがほとんど発生しない。それなのに、張りが強すぎることはなく、軽量なプラグであってもロッドにしっかりと重みを感じてキャストできる。また負荷に応じた段階的な曲がりとなり、曲げ込んだときのバットパワーはかなり強いので、これ以上譲れない磯際の攻防では、強引に寄せることも可能と感じており、とても頼もしいロッドです。
最後に、必ずしも強いタックルじゃないと大物が釣れない訳ではありません。ライトタックルで超大物が釣れた事例もあります。その逆に強いタックルであっても簡単にラインブレイクされることもあります。
魚を釣りあげるための条件は様々あり、それは魚がヒットした場所と、魚が走る方向、海底の地形、磯際の形状や岩質、足場の高低等のランディング条件等によって大きく左右されます。まずはポイントの条件を把握することが大事です。
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