魚が小さい

能登ロックショア釣行記
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11月に入ると時化の日が多くなり、釣りのできる日が少なくなってきた。
気温の低下も著しく、水温はみるみる下がってきている。魚は水温の変化に非常に敏感であるという。それぞれの魚には適した水温があり、水温の急激な低下は、魚にとって大きな移動を促しそうだ。前回とは大きく海の状況が変わっていることが予想される。ヒラマサはいるのか、いないのか。

朝まずめは、自作ダイペン(トビウオ2号、波動強めの表層レンジ)で水面をバシャバシャさせるのと、潜らせて波動を強く発生させるのを折り交ぜて誘うが、無反応。続いてアキチャン1号(波動弱めの黄色アピール系ダイペン)を投入するが、これも無反応。ラッシュダイブ160のまずめチャートも反応なし。さらに自作ポッパー(こいのぼり1号、直線移動で細かい泡、水飛沫少なめ)でロングジャークで細かい泡でマイクロベイトを意識して誘い、アキチャン2号(イレギュラーアクションの激しいダートのじゃじゃ馬ダイペン)で深く潜ったり、浅く潜ったり、激しいダートで動かすが、いずれも無反応。 

しばらく経ってから、アキチャン2号に小さなバイトがあり、一瞬ロッドに振動が伝わるが、針がかりせず。魚は小さそう。
その後、トビウオ2号にもチェイスがあるがバイトまで至らず。

4時間ほど経った頃、試作ダイペン(色塗りは下地の灰色のみ)のスイムテストをしていると、その数投目にコヅクラが釣れる。このルアーは、ダイブ前の浮き姿勢のとき海面から頭が出すぎており、ウェイトが足りないなと思っていたが、今回これに替えてすぐに魚が釣れたので、たまたまかもしれないが、動きはいいようだ。やはり、よく釣れるルアーというのは、強すぎず弱すぎずの適度な波動で、S字の往復もローリングを交えてキビキビと小刻みに動くのがいいようだ。

帰り道、コハクチョウが越冬にきていた。10月にも見かけたが、さらに南に移動していた。季節の移り変わりを実感する。理由はわからないが、なんだか嬉しくなる。コハクチョウも大陸からの長旅から目的地に到着して喜んでいるように見えた。


【ここから下は、自分の妄想】
なぜ、コヅクラは自分の胃袋に明らかに入らないサイズのルアーを吸い込もうとするのか。噛みちぎって食べるなら、胃袋よりも大きなサイズの魚を襲って噛じることもできるだろうが、コヅクラは吸い込んで食べるタイプの魚であるため、これに当てはまらない。そもそも、魚は自分の姿を見ることはできない。人間なら鏡を通して自分のことを見てそれを自分であると認識できるが、魚はそれをする機会がない。ということは、魚は自分の姿を見ることができないので自分の大きさを認識できないはずだ。そうであるなら、ルアーではなく、自然界においてもコヅクラは、明らかに飲み込めないサイズの魚を飲み込もうとすることがあるのだろうか。あったとしても、結果はただ、大きすぎて飲み込めないだけであるが、厳しい自然界でそんな無駄なことをする個体は淘汰されるように思う。自然界では合理的な行動をとる個体が生存できるだろうから。それもあるし、天敵からは逃げる必要があるから、自分が小魚のときは自分の大きさは知っていないと危ない。もしかしたら、コヅクラは同じサイズで群れを作るので、群れの他の魚の大きさを見て、自分の大きさを認識しているのかもしれない。または、魚は本能的に自分の大きさを感覚器官を通して認識できるのか、はたまた本能的に成長の過程で自動的に自分の大きさに見合ったサイズのベイトを食べるのか。それなら胃袋に入らないサイズの魚を襲うことは自然界ではなさそうだ。であるなら、なぜサイズの大きいルアーを飲み込もうとするのかについて、ルアーが発する波動や、フックの金属部の光沢や反射を小魚だと思っているのか、または食べようとしているのではなく、ちょっかいとか攻撃なのかもしれない。ダイペンは直立姿勢になると、頭は海面から出ており、海中にいる魚から見てシルエットは小さく見えるので、これが小さなベイトに見えることもあるのかもしれない。自分なりに答えの出ないこんなことを考えるのも釣りの楽しいところだ。真実は魚に聞いてみないとわからないんだが。しかし、実際に起こっている事実を活かすことを考えたい。自分がよく行く釣り場において、例年ベイトは小さいことがほとんどである。釣った魚の胃袋を割いても入っているのは10cm程度の小魚がほとんどだ。それなのにルアーは20cmほどの大きさのものを平気で食ってくる。これはサイズがマッチして食っている可能性は低そうだ。魚になんらかの刺激を与えて食ってくるのは間違いないのだが、あきらかに小さいマイクロベイトでなければ、ルアーサイズのマッチはそれほど重要ではないのかもしれない。そもそもショアに寄ってくる魚はやる気満々の個体が多いというので、ルアーサイズの違いはそんなに関係しないのかも。オフショアなら、魚のいるところに人間が積極的に向かうので、魚はルアーに対してセレクティブでシビアな気がする。

最後に時化による水温低下の後は一旦、ヒラマサとガンドが釣れなくなり、変わってコヅクラがよく釣れるようになることが、ここ数年、決まって起きている。コヅクラということは生まれて1年も経ってない個体であり、おそらく今年の春~夏にかけて生まれたのだろう。ガンドは、去年生まれなので2歳か。生まれた歳で同じ群れを形成するのだろうか。

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