新たなものを手にするより、無くしたものを取り戻したい

能登ロックショア釣行記
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今回は、2つの嬉しいことがあった。

まず1つ目は、フクラギ(ブリ)ショゴ(カンパチ)ヒラマサのブリ属3種が釣れたこと。あともう一つがめったに起こらないことなので、喜びは凄まじかった。

それは、大型にラインブレイクされたルアーを回収できたこと。ヒラマサ釣りはラインブレイクがつきものの釣りであるが、ラインブレイクされるとしばらく茫然としてしまい、避ける方法はなかったものかと悔やんだり自己嫌悪に陥ったりする。ルアーの掛かった魚を逃したこと、海にゴミを残したこと。ルアーを失った金銭的なこと、さらにメンタルへのダメージも大きい。ところが、今回はどん底から天に昇るほどの喜びとなった。それは、ルアーを回収できたからである。

フルキャストから数ジャーク目に遠目に見て長さが1~1.5mと大きな水飛沫と共に自分の体が強く引っ張られ、魚が手前に猛スピードで泳いできて、手前の根をかわすために思いっきりロッドを上げたが、なんの感触もなく、ふっとロッドが軽くなった。根に擦れた感触は全く感じなかった。ラインを回収するとリーダーはほとんど長さはそのまま残っていた。何が起こったのかわからず、しばらく、呆然とする。リーダーの切断面を見るとハサミで切ったようにキレイにカットされている。ノットで切れたのか、魚体に擦れたのか。はたまた鋭利な根で切れたのか。しかし、それを知るには海に没したもう一方の切れた片割れが必要であり、それが無い以上知るすべはない。

気を取り直して、しばらく釣りをしていると、なんと30mほど先にルアーが浮かんでいるではないか。無我夢中でポッパーを投げ、引っ掛けて回収することができた。回収できたのは世の中に一つしかない自作のルアーだったので喜びもひとしおだった。この自作ルアーは今年の6月に3つ作った内の一つで、魚に最も反応がよかったもの。あとから調べるとヒラマサはルアーや針を根に擦り付けたりして外すのが得意らしい。ラインブレイクされる可能性の高い釣りであることを考えると、外しやすいバーブレスフックを使用することも考えてみたいと思った。

【今回の釣行の記録】

水温の高いこの時期、意外な魚を含め様々な魚種の釣れる可能性があるので、ジグで広範囲に探り、あわよくばサワラ、マダイ、カンパチ等の顔を見たいと考えていた。もちろんトッププラグも使ってやる気のある魚の反応も伺う。もしシイラがいたら釣りたい。

また、春シーズンの終わりに作った新たな3つのダイペンの動きも確認したい。

ジグは風の影響を受けやすいので風の弱い日を選んだ。

明るくなってから釣りを開始する。最高気温は30℃と暑い日だが、さすがに9月に入ると朝方はいくぶんか涼しくなる。海面には時折サヨリや、小型の青物のボイルがある。

朝一、まずは前に大型のヒラマサが釣れた200mm自作ダイペン(タイトスラローム&ロール系)を使用するが反応は無し。
次に新作の3つの自作ダイペンの内、灰色ダイペン(ワイドスラローム系)のコピー品を使うがこれも反応なし。
続いて、シイラを意識してみる。シイラにはミノーが効くと聞いたことがあり、バレットファストをジャークを交えたリーリングをすると、ジャークに移行するわずかなルアーがストップするタイミングにフクラギがヒット。元気な魚で引きが強かった。

(ミノーのタダ巻きでは、青物はあまり釣れない気がする。それもあるがミノーのタダ巻きは単調なのですぐに飽きてきて集中力が続かない。そこで、糸フケを作ったジャークとリーリングを交互に行うことで、リズムができて飽きにくく、実際に魚も釣れる。
糸フケを作ってジャークするとミノーはスライドしながら横を向く、そのイレギュラーな動きが青物の捕食スイッチを入れるのに効果がありそう。)

続いて、今は無きトビウオ1号(2月にキハダにラインブレイクされてロスト)を意識した新規自作ダイペン(スラローム&ウォブル系)を使うと、何度かフクラギやコヅクラらしきバイトやチェイスがあるが、ヒットには至らず。それから少し経ってから、フルキャストして数回目のジャークで激しい水しぶきが起こる。ロッドに伝わる重さから大型だ。手前に向かってくるのでポンピングしながら急いでリールを巻く。そして、近づいたところでロッドパワーで上に引き上げようとすると、フッと軽くなる。不可解なラインブレイク。

それからしばらくして30mほどの沖にルアーが浮かんでいるのを発見。ダイビングウォブラーのフロントアイにトレブルを2つ付けて数キャストしてルアーのフロントフックに引っ掛けることに成功。

ポッパーのフロントにトレブルフックを2つ付けて数投で海に浮かぶダイペンのフロントフックに引っ掛けることに成功した。

失ったルアーを回収できたのは、すごく嬉しい。魚からルアーが外れてくれただけでも嬉しいのに、さらにルアーを回収できたのは二重の喜びだ。新たなものを手に入れるよりも無くしたものを取り戻せた方が幸福度は大きく感じる。しかも、ラインがどこで切れたかも確認することができる。切れた箇所のラインを確認すると擦れた形跡はなく、鋭利な刃物で切られたようになっている。張り出した根があったのか。それとも魚体のヒレか。魚体のひれは過去にシイラに切られたことはあるが、今回は走られている途中に切れたのではなく、ロッドでリフトする際に切れている。魚は見ていないが、動きからして、ヒラマサで間違いない。左の海中には目視できないがネズミ返しのような尖ったハングがあるのかもしれない。いずれにしてもノットで切れたのでなかったことはよかった。ノットで切れると思い切ってファイトができなくなる恐れがあり精神的によくない。

それからジグ主体で釣りをする。まずスメルト60gは無反応。撃投ジグストライク85gも無反応。撃投ジグレイドバック80gを投げて、手前のカケアガリを意識して、フォール主体のゆっくりとしたジャークでヒラマサが2回ヒットするが、いずれもスロープにずりあげた際にフックが外れてオートリリースとなってしまう。サイズは60cmほど。

右側の手前のかけあがりに、魚が付いている。沖の地形に変化が乏しいとき、魚が付くのは手前のかけあがりのことが多い。コヅクラ、フクラギサイズも頻繁に足元まで追ってくる。

それから一旦反応がなくなり、先ほど回収できたルアーを使用すると、すぐにチェイス、バイトが数回あり、フクラギがヒット。

ヒラマサも何回か足元まで追ってくるが針掛かりせず。

灰色ダイペン(ワイドスラローム系)のコピー品を使うとコヅクラが2匹ヒットした。ダイビングウォブラーも使ってみるが反応なし。

ジグはフォール中のヒットがほとんどで、テンポの速いワンピッチにはヒットしなかったので、フォール速度がゆっくりでフォールで誘える撃投ジグレベル80gに変え、フォールを意識して、糸フケを作った大きなストロークのジャークでできるだけ立った角度を意識して、ジグを跳ね上げ、フォールを少し長くとるとショゴ(41cm)とヒラマサ(55cm)がヒット。

一度、シイラらしきベイトを追いかける激しい水しぶきが沖で見えたが、届かない距離だった。

本日は、ジグのフォール中のヒットがほとんどであり、テンポの速いワンピッチにはヒットしなかったので、フォールをゆっくりにできて、フォールのアクションで誘える撃投ジグレベルが効果的だった。他のジグに比べてフッキングもがっちり掛かっていた。これはフォールの姿勢が安定していたからなのだろうか。撃投ジグには、他にもレイドバックという製品があり、こちらは魚がすれているときに効果的と言われている。今回も2匹のヒラマサを掛けてくれた。

とにかく魚がいるとわかっているポイントでは、ルアーやレンジ、操作をいろいろと試した方がヒット率が高まる。

このポイントでは魚はヒットするとほとんどが手前に向かって泳いでくる。このときポンピングするのではなく、とにかくリーリングをできるだけ速く行い、近づいたところでポンピングに切り替えた方が魚を浮かせやすそうだ。

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