座布団ヒラメ

能登ロックショア釣行記
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ここは、エントリーしやすいポイントなのだが、不思議とこれまで人がいるのをみたことがない。水深は15〜20mあり、潮通しはよく、フクラギは高確率で釣れる。ただ、難点は足場が低く、波に弱いので凪でないと釣り座に立てないことだ。そこで、水位の低い、春シーズンが、適していることになる。今回は海面からの高さ50cmほどの足場の低いポイントから釣りを行った。

始めに自作ダイペンを使用する。30分ほど経過するも反応なし。そこで撃投ジグストライク105gにチェンジ。風は弱いのでフルキャストで飛距離が出る。着底まで18カウント。ここの地形は左から右にかけて水深は浅く駆け上がっている。水深のある左から右にかけて順番に探っていく。

フルキャスト後に着底させ、10回ほどジャークしてから、再度底を取り、3回ほどジャークしたところ、根掛かりのような重たい何かが乗った。引きはそれほどでもないが、重量感があり、なかなか浮き上がってこない。手前には迫り出したハエ根があるので、急いでポンピングする。海面に姿を現したのは、なんと大型のヒラメ。計測すると72cmの座布団サイズであった。翌日も釣りをする予定だったが、これが釣れたのだから、釣りよりも、新鮮な魚を楽しく料理して、おいしく食べた方が有意義だと思い、早々に帰宅することにした。

ヒットルアー↓ 飛距離が出て、沈下速度も早いので、水深のあるところで手返しよく探れる。

使用フック デコイツインパイク サイズ1/0

ヒラメの刺身は、久々に食べたが、上品な甘みと独特のほのかな風味が口の中に広がり、最高にうまかった。ほかにムニエルも最高だったし、頭の塩焼きと卵の煮つけもどれもおいしかった。釣りは、料理と食事も併せることで最高に充実する。これだけ美味しかったらまた釣ってみたい。5月下旬の今時期、ヒラメは釣りやすいのかもしれない。能登では座布団級の釣果の情報がちらほらあるから一度釣れた場所では、また釣れることもあるのかもしれない。

私は10代後半から3年間程、座布団ヒラメに憧れて、ひたすら狙っていたときがある。結果として、そのときに釣れたのは最大50cmほどで座布団級には及ばずであったが、ものすごく嬉しかったので、そのときの事は今でも鮮明に脳裏に焼き付いている。ただ、記憶はいつでも引き出せるものでもなく、今回、座布団を釣ったときに、当時の記憶が甦ってきた。記憶というのは、関連した出来事やふとした拍子に思い出すもので、自分で意識的に思い出すことはかなり難しい。その中でも、二度と思い出せないこともあり、それは、一種の記憶喪失になるのだろうか。

一例として過去に釣り場で起こった私自身の大怪我へのニアミスのアクシデントについて、そのときに一緒にいた釣友は、その出来事を覚えているが、私は全く覚えていなく、思い出すことができない。私に記憶喪失があると実感したとき、もう痴呆が始まっているのかと少し恐ろしくなったが、長く生きてきて釣りに行く回数も多く積み重なってくると、記憶喪失することがあっても不思議ではないと思う。

今回は、ヒラメを狙っていて釣れたのではなかったので、実は感動はそれほどでもなかった。やはり、狙っているターゲットが釣れることが最も嬉しいものである。そういう意味では、このような思い掛けずにヒラメが釣れてしまったことは、それを狙い、追い求め満を持して釣れたときに訪れる、達成感や感動を消失してしまったようで、寂しくなり、複雑な気持ちになった。しかし、嬉しいことに変わりはない。

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