20260516
今年の春は、異様にガンドが多い。確か5年ほど前にもこんなことがあったと記憶している。
魚が多いのは喜ばしいことだ。沈黙の海とは違って、魚の多い生命感あふれる海は、それを観察しながら釣りをしているだけでも楽しい。ガンドのボイルにもさまざまな形があるが、今回はとくに活性が高く、水面での水飛沫も激しく、ときには1mほど飛び跳ねる姿も目撃。魚は活性が絶頂に達するとジャンプするのか?ガンドにとってみれば、ごちそうが山ほどある状態で喜び勇んでいるのだろうか。海鳥達もこれに触発されるように、水面をついばんでいるが、小魚を取れているようには見えない。しばらく見ていると結局魚は取れずに、どこかに飛び去っていく。釣りも楽しいけど、なによりもこの自然観察が楽しくてしょうがない。
しばらくすると磯際には10cm未満の小魚の大群が寄ってきた。ガンドはこれを食べているのか。日は変わって珠洲でも、この小魚の群れとガンドのボイルを見たので、今春は外浦の広範囲に渡って、同じような状況が発生していると思われる。
早朝の騒がしいときは、ルアーには全く無反応。なぜか静かになってから途端にルアーに反応してくる。
ガンドが足元まで4,5匹のグループで追ってくる。水中にいるガンドは、背が透明感のある深く澄んだ青色が美しく、黄色のラインが一段と鮮やかで見とれてしまう。魚は水中にいる姿が最もきれいだ。泳いでいる姿をもっとじっくり見たいが、一瞬で去っていく。
ルアーにバイトもしてくるが、ほとんどが空振りで、ルアーが動いた後の泡にバイトしているように見える。
ブリ属がたくさんいるときはルアーテストにはうってつけだ。ブリ属はルアーによく反応するが、好き嫌いははっきり分かれる。今回持ってきたルアーは全て自作プラグでサイズは190~200mmを10本ほど。
20投ほどで順番に使用していく。ダイペンには反応が悪く、3本作った水平浮きペンシルの中でも直感で作ったダークホースがまさかの一番好反応。他の2本には無反応でこれに反応が集中し、ガンドとヒラマサがヒット。


ベイトが小さいから190~200mmプラグでは釣れないかもと思ったが、そんなこともなかった。バイトにラグがあったので、ジャーク後のポーズを長めに(3秒ほど)とると掛かった。カラーは木肌そのままだけど、魚はそんな見た目は気にしていないようだ。
ルアー作りをしていて薄々感じていたことだが、ブリやヒラマサには、きれいなスラロームよりも破綻した動き、例えばミノーのフロントフックにラインが掛かって回転するような動きに近いが、このような回転系の動きによく反応する。ラピードもこれに近い動きに感じる。今回、試しにラインアイを2つ付けたダイペンを使って実験した。上のラインアイはワイドな動き、下のラインアイは、タイトで回転系の動き、結果は下のラインアイにチェイス、バイトが何度もあり、魚もヒットした。対して上のラインアイにはチェイスが1度あったのみ。あきらかに回転系の動きに分があった。

今春はアオリイカが磯際を泳いでいくのもよく見る。これも同じく5年ほど前もあったように思う。なんらかの自然環境の相関があるのかもしれない。目撃したアオリイカはつがいでいずれも北上するように泳いでいった。

隆起によって一度は荒野のような海岸になっていたが、3年経つと豊かな海に戻ったように感じている。この海藻が増えてきたこともアオリイカに関係しているのかも。この時期アオリイカが多いということは、今年の秋シーズンは期待できる。

ブリ属がやっかいなのは、あまり引かないのに、水から上げると暴れ回るところ。パワーではあきらかにヒラマサより勝っている。同長なら重さもブリの方があるし、血の量も多いので、運動能力ではブリの方が上だと思うのだが、そのフィジカルは糸を引っぱるのではなく別の目的で使うんだろう。ヒラマサは短距離走者的なところがあって、釣り的には根に向かって走るその瞬発的な最大出力に対応できるかどうかが勝負の分かれ目。
ブリは水中でのファイトよりも、上げてからフックを外すまでのファイトが大変だ。これをファイトと言っていいのかわからないが、私には、暴れ回るブリがルアーを破壊したり、自分の体にフックが刺さりそうなこともあったりと、とにかくブリは水から上げてからが勝負の本番だと思っている。今回はガンドによってフィッシュグリップが壊されたので体を捩らせる力が物凄く強いので気を付けたい。
自作ルアーを使っていると気づきがたくさんあった。
・縦アイと横アイのラインアイの違いによるアクションの違い
・ラインアイを上下に少し曲げるだけでアクションが激変する
上記二つは、また今度書きたい。
・トレブルフックとシングルフックによるアクションの違い
これは、よく言われているのがシングルフックにすると動きがよくなるということだが、動きがよくなるとは具体的にどういうことなのか、書いてみたい。
まずは基本的なことから、メカニズムを書くと長くなるので省略する。
トレブルフック
ルアーが横を向きやすくなり、弧の深いスラロームになる。
シングルフック
ルアーが前に移動しやすくなり、弧の浅いスラロームになる。
これをルアー調整に使う方法
まず両方シングルフックだとして、ここから調整する場合
ダートの距離が伸びて、スラロームがワイドなものを、ダートの距離を短くターンの切り返しを速く(キビキビ)スラロームをタイトにしたい場合は、フロントフックをトレブルにして、リアをシングルにする。
これとは逆にダートの距離が短く、スラロームがタイトなものを、ダートの距離を長く、スラロームをワイドにしたい場合は、フロントフックをシングルにして、リアをトレブルにする。
両方シングルにすると、直線的な動きが強くなり、両方トレブルにするとスラロームはS字からエッジのあるZ字に近づく。
シングルにすると動きがよくなるというよりも、動きの幅が小さく、切り返しもゆっくりになる。ただ、個々のルアーはボディ形状から重心、オモリの配分に違いがあり、元のルアーが持っている特性を把握し、それを基準とする。調整のやり方としては、例えば、激しい動きを少し大人しくしたいときにシングルにするとか。ちなみにアシストラインの長いフックは、アクションのレスポンスを遅くすることになる。よく言うと安定化につながるが、悪く言うと動きが鈍重になる。フックに海藻が掛かった状態を想像するとわかるが、抵抗点がルアーから離れるほど、アクションの往復動の振れ幅は小さくなり動きは直線的になる。これとは逆にレスポンスを速くしたいなら、シャンクの短いフックでフックの重心がルアーに近づくものにする。またスプリットリングは不必要に大きいものにしない。イレギュラーなアクションを嫌うルアー設計では、アイを小さくしているものがあるのは、これに関係する。

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