良型サワラをキャッチ

能登ロックショア釣行記
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秋も本番といった時期だが、日中は依然として暑い日が多い。北東の波がやや高く、それを避けるため少し回り込んだ波の方向が裏側になるポイントにエントリー。ここなら波高もちょうどよいが、海面は静かでベイトの気配が薄い。磯際に漂う魚もいつもより少ない気がする。潮当たりが悪いのだろうか。

まずは、ダイペンで反応をみてみる。しばらくするとヒラマサのチェイスがあるが追いが弱い。バイトもあるが、ルアーには触れず。何度か足元の磯際から居着きらしきヒラマサが出てきて、ルアーに近づいてから反転していくのを、目撃する。今日の魚は活性が低そうだ。

こんなときは、ルアーをあまり潜らせずに水面近くをバシャバシャさせるのが効果的だと思っている。ルアーをぼかす効果と、逃げ惑うベイトを演出できているのかもしれない。

そうやっていると、すぐにバイトが出た。しかしハリには触れず。青物は活性が低くても、水面の水しぶきや泡には本能で反応してしまうのか。こんなときは、テールフックを吸い込みしやすくアシストラインを長くしたりフックを軽くすることでショートバイトをフッキングに持ち込めるかもしれない。

ダイペンでは反応が薄くなってきたので、撃投ジグレベル80gでカウントを刻み縦方向を探ってみる。ショートバイトをとるためにテールにツインフックを付ける。するとすぐにフクラギがヒット。テールフックが2本とも口に掛かっていた。

続いて、風下の潮上にキャストし、中層で強いアタリ、重さはあまり感じずすんなりと寄ってくる。70cmオーバーの良型のサワラをキャッチ。思わず「やったー」と叫んでしまった。口にテールフックが掛かっていた。サワラはたまにしか釣れないし、美味しい魚なのでとても嬉しい。サワラは過去に90cm近いものも釣っているので、あわよくば、サワラか真鯛が釣れないかと期待してジグにテールフックを付けて投げていたが、それが功を奏したのか、釣れてよかった。根掛かりがしにくい地形で、海底の起伏がだいだい把握できているのなら、テールフックを付けた方が様々な魚種のヒット率が上がると思う。ただ、そうするとジグの動きも変わってしまうので、それがよくない場合もあると思う。だけど、渋い時はいろいろと試してみたい。

サワラを手持ちのストリンガーで活かしておこうと思ったが、ストリンガーのナイロンロープを歯で切られる懸念があったので、サワラはすぐに絞めて、車に向かった。魚の温度が上がらないようにドンゴロスを何度か濡らしながら帰路を急いだ。釣り場の気温は25℃ほどと高かったが、家で捌くと、鮮度は合格点で、食味も申し分なかったので、ドンゴロスを濡らしながらは、そこそこ効果があったのではと思っている。

翌日、人気ポイントに入る。駐車場には、他に車が2台あり、簡単に挨拶をする。平日だったため、私の他に3人。ここの釣り場は広いので、間隔は広くとれ、自由にキャストできるので気疲れはそんなにしない。

まずは、潮通しのよい角でやるが、波が高いので、ランディングに不安があり、少し回り込んだ波がやわらいでいるところに移動した。こちらの方がベイトは溜まりそうだ。すぐにフクラギらしきバイトが数発あるが、乗らず。その後、ルアーを調整して、水面直下を浅くスラロームさせるようにすると、フクラギとヒラマサがヒット。その後もヒラマサのバイトがあるが乗らず。魚は昨日と同じく、ショートバイトが多いが、反応は頻繁にある。

自作灰色ダイペン、コピー機190mmに板オモリ2gをフロントアイの後ろに2枚重ねて貼り4gにすると、ダイブ性は良好だが、動きが少し重たい。板オモリ1枚にしても、操作性は落ちずに、動きが少し軽くなったような気がする。0枚では、あきらかに動きは軽くなり、スラロームはクイックになり、レンジは浅くなったが、その代わりミスダイブはしやすくなった。しかし、この動きに調整した途端にフクラギらしきバイトがあったので、効果はありそう。次にフロントアイの前に2g貼ると操作性は落ちずに動きがよくなった。それから間もなくフクラギとヒラマサが釣れた。どちらもテールフックに掛かっていた。ウェイト調整によりショートバイトのときには効果的なルアーになったのではと思う。フックを重くするより、ボディにオモリを貼って、その分フックを軽くした方が動きに切れが出て軽快になることがわかった。

ここからは、釣りをしながら妄想していた「ルアーを自作する意義」について書いてみる。

自作ルアーの意義とは・・・現代は、機械加工の精度が向上していて、優れた材料もあり、シミュレーションや流体解析等も進んでいて、それらを活用して製作された優れたメーカー品を安価に入手できる。そんな中、わざわざ時間を掛けてルアーを自作する意味はあるのだろうか。一個人が手作りするルアーがメーカー品にかなうはずがない。自作ルアーは、メーカー品より劣った自己満足にしかならない。しかし、本当になにもかもメーカー品に劣るかと言えば、そうでもないような気がしてきた。自作を続けていく内に気が付いたことがある。

それは、自作において、メーカーには真似できないことができるということだ。例えば、壊れやすいけど、動きが軽くレスポンスのよいものが作れることが挙げられる。具体的には、最低限の防水性をもたせるくらいの薄いコートにして、さらに中をくり抜いて軽量化。当然、強度は低くボディをぶつけるとすぐにへこんだり、浸水しやすいが、貫通ワイヤーをいれることで、ルアーは壊れても魚はとれる。(例えるなら防御力ゼロだが運動性能抜群の自作ルアー VS 頑丈で安定した動きの市販ルアー)簡単に壊れても自分で作ったものは自分で直すのも簡単である。少しへこんだり、コートが割れたら、ヤスリがけしてから再度コートしたり、部分的にエポキシやレジンで補修したりすればいい。市販品では壊れやすいルアーは問題となるのでまず販売は難しい。

ちなみにA社の180mmダイペンは総重量87gに対してオモリの重さは18gである。これに対して私の自作ルアー190mmは総重量80gに対してオモリの重さは41gであり、オモリの割合が前者と比べて圧倒的に大きい。つまり、それだけボディの密度(比重)が小さいので軽い箇所と重い箇所にメリハリを付けられるので、軽快な動きや切れのある動きを作りやすい。(プラスティック製はボディ補強のためにプラスティックのリブを入れたり部分的に厚みを増しているが、これもアクションとバランスが取れるよう計算の上、成り立っていると思われるから、ボディ密度が軽ければいいかといえば単純にそうとも言い切れないところがあるが、素人が自作する上で軽快な動きにするためにはボディを軽くするのが単純で簡単。)

また、自作ルアーは改造が可能である。例えば、後からボディに穴を開けてオモリを追加したり、減らしたり、ボディを削って形状をスリムにしたりといったことだ。これを市販品のプラスティック製では削れば浸水したりして動きが大きく変わってしまうので難しい。

さらに、市販品では難しいこととして、ミスダイブはしやすいけど、水面下ぎりぎりを浅く泳ぐものとか、水面をバシャバシャスラロームするものとか、扱いにくいルアー。万人受けはせず、クセは強いけど、操作して楽しいものを作れるのも自作ならではである。

また、自作だと左右非対称になったり、木材等の天然素材のバラツキがあり、よくも悪くも動きが安定していなく、それがランダムな動きにつながり、良い結果を招くこともあると思う。

操作して面白くないけどよく釣れるルアーと操作して楽しいルアーでは、どちらが釣りをして楽しいだろうか。ヒラマサを釣るには、どこで釣りをするかの場所(ポイント)が1番重要であり、そこではどんなルアーでも釣れる可能性はある。同じポイントに別のルアーを同時に投げて検証した訳ではないのだが、少なくとも、ルアーの種類よりも良いポイントを選ぶことの方がはるかに重要であることは間違いない。あとは、集中力を持続できて投げ続けられることであり、そのためには飽きにくく操作して楽しいことが大事な要素。だからこそ、ルアーというのは人目線で使って楽しいことが必須。人それぞれ感性は異なるので、個々に好きなルアーは違うはず。そこで自分の好きなルアーを自分で作ることに意義がある。自作の意義とは自分が好きな動きのルアーを自分で作ることだ。

結局、自作ルアーを作ることの意義についての結論は「自己満足」になる。

*以下追記

壊れやすいルアーを作れるのは自作ならではと書いたが、実はそれは過ちであった。入手困難なので、市販品といっていいのかわからないが、あるメーカーは、密度の小さい木材をボディ材料として、さらに中をくり抜いてボディ密度を低下させており、壊れやすいようだが、切れのある動きでよく釣れるとのことである。そうなると自作の意義とは、思いつく限りで挙げてみると「作る過程そのものを楽しむこと、自分の好きな動きを追及すること、試行錯誤(釣り場でウェイトを貼ったり浮力材を貼ったり)して動きの変化を楽しむこと、よく行く釣り場に特化した仕様にする、扱いにくいものを操る楽しさ、安価にウッドルアーを所持できる」これらが考えられる。しかし、私の場合は、この1点に尽きる。それは、繰り返しになるが「自分の好きな動きのルアーを自分で作ること」だ。

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